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悪性腫瘍について

 
悪性瘍腫(あくせいしゅよう)は、がん、悪性新生物とも呼ばれ、他の組織との境界に侵入したり(浸潤)、あるいは転移し、身体の各所で増大することで生命を脅かす腫瘍である。逆に、浸潤や遠隔転移をすることがなければ悪性腫瘍ではない。医学分野では、片仮名でガンとは表記しない。

がんという語はほぼ悪性腫瘍と同義としてもちいられる。本稿もそれに習い悪性腫瘍とがんとを明確に区別する必要が無い箇所は、同一物に対して両方の語を用いている。なお、「がん」と「癌(癌腫)」も厳密には異なります。


悪性腫瘍言葉の定義
悪性腫瘍はがんとも呼ばれるが、悪性腫瘍とがんを同じ意味で使う事には異論もあります。なぜなら腫瘍という言葉は塊(固形がん)を表しているが、白血病などの一部のがんは塊を作らない場合があるからである。またがんは悪性新生物とも呼ばれる。これはもともとmalignant neoplasmの訳語として作られた言葉で、malignant「悪性の」、neo「新しく」、plasm「形成されたもの」を意味する。したがって時々見かける「悪性の新しい生物」という解釈は厳密には誤りである。(平仮名の)がんには(漢字の)癌(=癌腫)、肉腫、白血病および悪性リンパ腫等が含まれる。一方、漢字の癌は癌腫と同じ意味であり、肉腫や白血病等は含まれない。「がん、癌」は主に臨床で、「悪性腫瘍」は主に病理学などで、「悪性新生物」は主に統計学で使用される傾向がある。以上を纏めると

がん≒悪性腫瘍≒悪性新生物⊃(癌≡癌腫∨肉腫)
となる。医学分野ではただ「悪性」といった場合には悪性腫瘍を意味します。

逆に、「良性疾患」といった場合にはあくまで悪性腫瘍以外の疾患であるという意味であり、必ずしも治療が容易ということを意味しません。

なお、英語で「癌」を表すcancerは、乳がんの腫瘍が蟹の脚のような広がりを見せたところから、医学の父と呼ばれるヒポクラテスが蟹の意味であるcancerと名づけたと言われています。

posted by 女性健康 at 15:02 | Comment(0) | TrackBack(1) | 女性健康「胃の病気」

胃切除術の手術後

 
胃切除術の手術後について

胃切除術の術後の経過
消化管手術であるため、吻合部からの食物の漏出が起こらないように注意する。術後数日は絶食とし、末梢静脈からの点滴で栄養を補給する。術後5日程度で消化管造影X線写真を撮影し、吻合部よりの漏れがないことを確認しペースト状の粥から経口摂取を開始する。問題がないようであれば粥の固形物の割合を多くしていき徐々に普通食に戻していく。吻合箇所が多い術式の場合はさらに時間がかかる。吻合部は手術前より狭くなっているため食が進まないと訴える患者も多いです。

ドレナージチューブは術後7日から10日程度留置するが排液が多い場合や汚染が見られた場合は期間が延長される。抜糸は創傷治癒のはやさにもよるが術後7日頃に行います。

痛みは点滴より鎮痛薬を静脈投与することで鎮痛を行う。硬膜外麻酔を併用した場合術後3日間程度硬膜外カテーテルから鎮痛薬を投与します。

胃切除術の手術後の障害
胃の機能が失われることにより起こるさまざまな障害が胃切除後症候群として知られている。体調変化が劇的で、驚く患者も少なくない。これには単純に胃の大きさが小さくなる(「小胃症状」と呼ぶ)こととそれに伴う機能の低下のみならず、迷走神経切除や内分泌機能の低下による消化管の協調不全といった総合的な問題が介在していると考えられている。さらに切除後の再建法式による影響も報告されている。ビルロート II法、ルーワイ法では食物が十二指腸を通過せず、正常の通過経路とは異なってしまう。このため特に消化管ホルモンの分泌調節に異常をきたすという考え方です。

消化、吸収不良
胃酸や消化酵素の分泌の減少と消化機能の低下による。胃酸は消化液としてのみならず、消化酵素の活性化にも関与しているためである。また、手術による迷走神経の切除が原因となり消化管運動が低下したり、消化管ホルモンの分泌が変化することも要因である。
三大栄養素(糖質、蛋白質、脂質)のうち、とくに脂肪の吸収障害が起こりやすい。再建方式で見るとビルロート II法で高率である。
さらに、消化が不十分なままの栄養素が小腸に流れ込むと下痢を引き起します。

ダンピング症候群 (dumping syndrome)
食物が胃を経過せず急速に小腸に送り込まれることが原因である。早期ダンピング症候群と後期ダンピング症候群に分類される。早期ダンピング症候群では通常よりも濃い食物が小腸に流れ込み、浸透圧で体の水分が腸の中に逃げることが原因で、一時的に血液が減少したのと同じ状態になる。症状は動悸、立ちくらみ、めまい、悪心等である。後期ダンピング症候群はインシュリンが過剰に分泌されることが原因で、低血糖を引き起こす。症状は発汗、疲労感、立ちくらみ、めまい等である。90分ほどかけてゆっくりと食事をしたり、食事を少量ずつ回数を一日5回程度に増やすことで改善できることもある。また、飴やチョコレートといった甘いものを持ち歩き、低血糖症状が出たときに食べればいいです。

後期ダンピング症候群は胃の部分切除より全摘出のほうが発生率は高く、ビルロート I法よりII法が、空腸間置法よりルーワイ法が発生率が高いです。

逆流性食道炎
噴門の機能が低下することで胃液が食道に逆流し、炎症を引き起こす。胃を全摘出した場合は胃液の逆流はないが胆汁や膵液の逆流が問題となります。
貧血
ビタミンB12の吸収に必要な内因子は胃の壁細胞から分泌されている。胃を切除すると内因子の分泌が減少するためビタミンB12の吸収が減少し、その結果巨赤芽球性貧血を引き起こす。
鉄の吸収には胃酸による鉄のイオン化が必要であるが、胃酸の分泌が減少すると吸収不足になり鉄欠乏性貧血が生じる。
予防的にビタミンB12の注射や鉄剤の経口投与が行われます。
骨障害 カルシウムの吸収障害が起き、それを補うために骨からカルシウムが溶け出す。そのため骨塩量の低下をきたし骨粗鬆症につながる。カルシウムの吸収は主に十二指腸と上部空腸で行われるため、ビルロート II法、ルーワイ法で骨障害が起こりやすいと考えられるが相反する報告もあり、断言はできません。
輸入脚症候群
ビルロート II法で手術を行ったときに持ち上げた十二指腸の部分を輸入脚と呼ぶが、この部分は盲端となり食物の流れがなくなってしまう。するとここに溜まった胆汁が逆流し嘔吐を引き起こしたり、輸入脚の中で腸内細菌が増えすぎて吸収前の栄養素を消費したり胆汁を分解し栄養素の吸収を阻害する。輸入脚症候群を解消するために輸入脚と空腸を側々吻合することをBraun吻合と呼びます。
胆石症
迷走神経を切除することにより胆嚢の運動が低下し胆石を生じることがあるので予防的に胆嚢を摘出することがあります。
残胃胃炎・残胃癌
切除しなかった胃に炎症が生じてくるものである。胃の粘膜が萎縮したり(萎縮性胃炎)、粘膜組織が腸のもののように変化(=腸上皮化生)することが多いです。時期は手術後2〜3週間で既に生じ始め術後2年頃でも生じることもある。原因として胆汁や膵液を含む十二指腸液の胃への逆流が有力視されている。ビルロート II法で多い。残胃胃炎が注目されるのは萎縮性胃炎と腸上皮化生が癌の発生母地となると考えられているからである。正常の胃よりも胃切除後の胃のほうが胃癌の発生率が高いとする報告があります。

これらの障害が原因で主に食事を中心とした生活習慣を変えないといけないこともある。具体例を挙げますと

・一回の食事量を減らし、食事の回数を増やす。また、よく噛んでから飲み込むようにする。
胃の貯留機能が低下するため。また、食物の混和を助けるためである。
・食後すぐに寝転がらないようにする。
逆流性食道炎の予防になる。
・栄養素をバランスよく摂取する。消化がよく、栄養価の高い食事を摂る。消化酵素剤を食前食後に分けて飲むと混和が促進され吸収がよくなる。
なお、胃切除後に摂ってはいけない食べ物は特にない。
・適度な運動
手術後の生活に慣れてきたら少しずつ運動をするとよい。体力がつき、消化器の運動を活発にする。また、筋肉がブドウ糖を貯蔵するのでダンピング症候群の低血糖予防になる。骨にも負荷がかかるため骨粗鬆症の予防にもなる。
・体重減少
体重は手術前と比べ間違いなく減少するといっていい。術後およそ1年から2年で最も減少する。体重は家庭で手軽に量れるためついつい増減が気になってしまうかもしれないが、飲水や発汗で容易に変動するのであまり神経質になる必要はない。また、同じ10kgの減少でも体格によって意味合いが異なってくる。他の人と比較する場合はボディマス指数を元に考えるとよい。
また、ビルロート II法で術後障害の発生が多いことが知られるにつれ改良法としてルーワイ法、空腸間置法が行われるようになった。さらに自動吻合器の改良で空腸パウチ法が実用化され小胃症状の改善が期待される。神経機能の温存、幽門機能の温存とパウチの作成がQOLを高める上で重要だとされています。
posted by 女性健康 at 17:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 女性健康「胃の病気」

胃切除術の手術時間、危険性

 
手術時間・出血量
手術自体は部分切除の場合3〜4時間だが切除範囲、リンパ節郭清の程度や再建の方式により前後します。また癒着により所要時間が伸びる場合もある。リンパ節郭清を要しない手術の場合短くなる。 手術の前後に麻酔の導入と覚醒をするためさらに1時間程度を要します。

出血量は部分切除で200ml程度、全摘出で600ml程度で輸血の必要はほとんどない、もしくは自己血輸血が行われるが、合併症や原疾患によっては増加する。例えば腹部の外傷や癌や潰瘍などの病変部から出血があり術前から貧血を伴っている場合は、手術中または術後に輸血が行われることがあります。


手術の危険性と合併症
術後早期に問題となるのが縫合不全、吻合部狭窄である。手術中に膵臓の周囲を操作するため、目に見える範囲で損傷がなくても膵臓から消化酵素を含む膵液が漏れだし、膵液漏という状態になることがあります。これらは術後2週間ぐらいが目安である。長期的に見ると内臓(おもに小腸)が癒着し癒着性イレウス(腸閉塞)を引き起こす可能性もある。これに加えて一般的な開腹手術と麻酔の危険性が伴います。

今日の健康
posted by 女性健康 at 20:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 女性健康「胃の病気」

胃の腫瘍のほか、胃潰瘍、胃の損傷などに対しての胃切除術

 
胃切除術(い せつじょじゅつ)とは
胃切除術(い せつじょじゅつ)は胃の一部もしくは胃全体を切断し取り除く手術的治療法である。おもに胃の腫瘍のほか、胃潰瘍、胃の損傷などに対して行われる。

主に全身麻酔で行われる手術で、切除範囲により胃の部分切除と全摘出に大別される。通常手術時間、出血量ともに多くはなく、手術としては中規模の手術といえ、輸血の必要性も少ない。術後に出現する障害として特有の症状が知られており、胃切除後症候群と呼ばれている。 近年では腹腔鏡下手術も行われるようになっている。

胃切除術の対象となる疾患
■胃潰瘍
■十二指腸潰瘍
■胃穿孔(胃潰瘍によるものや外傷による損傷など)
■胃の腫瘍(内視鏡的切除が不可能なもの)
・胃癌
・胃悪性リンパ腫
・GIST
・胃の肉腫
などである。変わったところでは減量のためにこの手術を受けたサッカー選手のディエゴ・マラドーナの例がある。

健胃会が2002年に行ったアンケートでは、胃切除術を経験した126名中、原因となった疾患は

■胃癌 : 72%
■胃潰瘍・十二指腸潰瘍 : 22%

胃切除術、手術の手順

1、手術は全身麻酔下で行われる。術後鎮痛のために硬膜外麻酔を併用することもできる。
2、全身麻酔導入後皮膚切開を加え開腹する。
3、腹水や腹腔内の洗浄液を採取し病理検査に出す。目に見える転移巣以外にも癌細胞が浮遊していないか顕微鏡で確かめるためである(細胞診)。もし腹水細胞診が陽性(癌細胞が発見された場合)であれば腹腔内播種があることを意味し、根治的な手術は望めない。
4、腹腔内臓器、腹壁、大網、腸間膜に転移巣がないか確かめる。
5、胃癌の原発巣を検索し切除範囲を決定する。
6、胃に血液を供給する動脈と、胃から血液が流れ込む静脈を切除範囲にあわせて結紮処理する。同様に大網も切除する。胃の周囲にはリンパ節が多数存在しリンパ行性転移を起こしている可能性がある。そのため周囲のリンパ節も摘出しこれも病理検査に出す(リンパ節郭清)。
7、胃本体を切断する。切断と縫合を同時に行える器械(自動吻合器)を使用することが多い。通常胃を切除するためには口側と肛門側の2回この作業が必要である。
8、摘出された胃を開き、原発巣から切除断端まで充分な距離があるかどうか確認する。また切除した胃の組織は顕微鏡で断端に腫瘍細胞の浸潤がないか検査する。不十分であった場合追加切除が必要となる。
9、周辺臓器が切除・摘出されることもある。摘出対象となるのは胆嚢、脾臓、膵臓が多く、結腸や肝臓も含まれる。
10、消化管の再建を行う。再建の方法については後述する。
11、腹腔内を洗浄し止血を確認して排液用のドレナージチューブ(ドレーン)を留置し閉腹する。
12、患者を全身麻酔より覚醒させる。
13、手術室を退室する。



健康・医療
 
NHK健康
posted by 女性健康 at 11:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 女性健康「胃の病気」

ピロリ菌の感染は胃潰瘍のみならず・・・

 
ヘリコバクター・ピロリの感染
ヘリコバクター・ピロリの感染は、慢性胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍のみならず、胃癌やMALTリンパ腫などの発生につながることが報告されている。細菌の中でヒト悪性腫瘍の原因となりうることが明らかになっている唯一の病原体です。

ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)はヒトなどの胃に生息するらせん型の細菌である。ピロリ菌とも呼ばれることがあります。

ヘリコバクター・ピロリは1983年 オーストラリアのロビン・ウォレン(J. Robin Warren)とバリー・マーシャル(Barry J. Marshall)により発見された。

胃の内部は胃液に含まれる塩酸によって強酸性であるため、従来は細菌が生息できない環境だと考えられていたが、ヘリコバクター・ピロリはウレアーゼと呼ばれる酵素を産生しており、この酵素で胃粘液中の尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解する。このとき生じたアンモニアで、局所的に胃酸を中和することによって胃へ定着(感染)している。この菌の発見により動物の胃に適応して生息する細菌が存在することが明らかにされた。

ヘリコバクター・ピロリの発見
1983年、オーストラリアのロビン・ウォレンとバリー・マーシャルがヒトの胃から、らせん状の菌を培養することに成功した。この発見には、Skirrowらが1977年に確立したカンピロバクターの微好気培養技術が基盤となっている。カンピロバクターは感染性の下痢の原因となるらせん菌であり、微好気性(低濃度の酸素と、二酸化炭素を必要とする)かつ栄養要求性の厳しい細菌の一種であるため、特殊な培地と培養法が必要である。マーシャルらはその培養法を応用して、慢性活動性胃炎の患者の胃内、幽門付近かららせん菌を分離することに成功した。

この成功の影には一つのセレンディピティがあったと伝えられている。カンピロバクター培養法を導入したマーシャルらであったが、それでも目的の菌の培養には失敗が続いた。しかし1982年4月のイースターのとき、マーシャルの実験助手が休暇をとったため、マーシャルは通常は数日で終わらせる培養を、5日間そのまま放ったらかしで続けることにした。そして休暇が終わったとき、培地上に細菌のコロニーができていることに気づき、これが本菌の発見につながった。後にわかったことだが、ヘリコバクター・ピロリは増殖が遅く、培養には長時間を必要とする細菌であった。

光学顕微鏡で観察した形態の類似性と微好気性であることが共通していたため、この菌はカンピロバクターの一種と考えられ、Campylobacter pyloridis(campylo-; 湾曲した、カーブした、bacter; 細菌、pylorus;幽門)と命名された。ただし、この名称はラテン語の文法上誤りであったため、1987年にCamplylobacter pyloriに改名された。その後、電子顕微鏡下での微小構造の違いや遺伝子の類似性から、1989年にカンピロバクターとは別のグループとして、新たにヘリコバクター属が設けられ、Helicobacter pylori(helico-; らせん状の)に名称変更された。また、同様の方法でヒト以外にもフェレット、サル、ネコ、チーターなどの動物の胃からも同様の菌が分離されてヘリコバクター属に分類された。

病原性の証明
発見された当時、慢性胃炎や胃潰瘍はもっぱらストレスだけが原因であるという説が主流であったが、マーシャルらは本菌がこれらの疾患の病原体であるという仮説を提唱した。これらの疾患の慢性化と胃がんの発生が関連することが当時すでに知られていたため、この仮説は本菌ががんの発生に関与する可能性を示唆するものとしても注目されたが、当初は疑いの目を持って迎えられた。

そこでマーシャルは培養したヘリコバクター・ピロリを自ら飲むという、自飲実験を行った。その結果、マーシャルは急性胃炎を発症し、コッホの原則の一つを満たすことが証明された。ただしマーシャルの胃炎はこの後、治療を行うことなく自然に治癒したため、急性胃炎以外の胃疾患との関連については証明されなかった。一方、彼とは別に、ニュージーランドの医学研究者、アーサー・モリスもまた同様の自飲実験を行った。その結果、マーシャルと同様に急性胃炎を発症しただけでなく、モリスの場合は慢性胃炎への進行が認められた。これらの結果から、ヘリコバクター・ピロリが急性および慢性胃炎の原因になることが証明された。この後、疫学的な研究から、これらの疾患の慢性患者の多くから本菌が分離されることや、本菌の除菌治療が再発防止に有効であることも明らかになった。

ヘリコバクター・ピロリ胃がんとの関連
胃がんとの関連については、ヒト以外の動物を用いた数多くの実験にも関わらず証明ができないままであったが、疫学調査の結果から明らかになっていった。そして1994年には国際がん研究機関(IARC)が発行しているIARC発がん性リスク一覧に、グループ1(発がん性がある)の発がん物質として記載された。その後、1998年には日本の研究者がスナネズミを使った動物実験で胃がんの発生に成功し、コッホの原則に基づく証明に成功した。

一方、ヘリコバクター・ピロリの除菌が広く行われだした頃から、この治療を行った患者に食道炎や食道がんの発生が多いことが報告されており、本菌は胃に対して悪影響をおよぼす傍ら、食道に対してはむしろ疾患を防御している可能性が示唆されています。

その後
医学的な重要性から、ヘリコバクター・ピロリの研究は精力的に進められ、1997年にはゲノム解読が完了した。この結果から、胃内定着の機構や発がんのメカニズムについての研究がさらに進められています。

2005年には、ヘリコバクター・ピロリの発見の功績によって、ロビン・ウォレンとバリー・マーシャルに対してノーベル生理学・医学賞が授与されました。

posted by 女性健康 at 10:12 | Comment(0) | TrackBack(1) | 女性健康「胃の病気」

胃の検査 胃カメラ(内視鏡)

 
内視鏡(ないしきょう、endoscope)とは、主に人体内部を観察するための医療機器である。本体に光学系を内蔵し、先端を体内に挿入することによって内部の映像を手元で見ることができる。一般的なものは細長い形状をしているが、カプセル型のものもある。また、観察以外に、ある程度の手術や標本採取ができる性能をもつものもある。内視鏡の応用は医療分野にとどまらず、産業分野においても、構造物の内部を観察するために用いられます。

直視型のファイバースコープ。先端部は術者の操作により屈曲することができ、そこから照明光が発されている。ファイバーに記された目盛(白い横線)によって挿入長を知ることができます。

内視鏡の構造
硬性鏡
筒の両端にレンズがついたシンプルな構造のもの。膀胱鏡、胸腔鏡などに用いられる。
軟性鏡(ファイバースコープ、電子内視鏡)
柔軟な素材を用いたもの。グラスファイバーを用いたものと、CCDを用いたものとがある。多くの内視鏡は光学系とは別の経路をもっており、局所の洗滌・気体の注入・薬剤散布・吸引・専用デバイスによる処置などが可能である。また手元の操作で先端の向きを自在に変えられるものが多い。
いずれの内視鏡も、直接接眼レンズをのぞいて、あるいはビデオカメラを接続してモニターに映して観察する(CCDタイプはモニターでの観察のみ)。通常は光源を接続して使用する。なお、2007年4月1日現在、デジタルカメラと光源、モーターを内蔵した小型カプセルを飲み込み消化器官を撮影する画像診断システム(ギブン画像診断システム)が承認される予定であり、他社ではモーターを持たないカプセル型内視鏡の開発も進められています。

消化管の内腔を観察する。有線式のものは、口から挿入して(苦痛の少ない鼻からの経鼻内視鏡も普及しつつある)咽頭・食道・胃・十二指腸を観察する検査(上部消化管内視鏡検査)や、肛門から挿入して直腸・結腸・回腸終末部を観察する検査(大腸ファイバースコープ検査)などが行われる。小腸へは直線的な先進が困難なため、ダブルバルーン内視鏡が開発された(販売:フジノン東芝ESシステム)。 口側から挿入することと、肛門側から挿入することにより全小腸の画像診断が可能とされている。

有線式の内視鏡の挿入には苦痛が伴うため、欧米では、基本的に鎮静剤を使用する。日本では、鎮静剤を使用すると、回復に時間がかかることもあり鎮静剤を使用しない施設が多かったが、近年は苦痛軽減のために積極的に鎮静剤を使用する施設が増えている。但し、大腸内視鏡の場合、未熟な挿入技術による疼痛をごまかすために鎮静剤を使用することでかえって穿孔などの合併症が増えることも予想され、鎮静剤の使用は慎重である必要があります。

内視鏡は観察のみにとどまらず、標本の採取(細胞学的診断のために重要である)、直接治療にも用いられる。例えばポリープなどの粘膜病変に対し、内視鏡を用いて切除する処置(内視鏡的粘膜切除術;EMR, 内視鏡的粘膜下層剥離術;ESD)が行われ、上部消化管潰瘍に対するクリップ・焼灼・硬化療法、内視鏡を用いた胆道・膵臓の検査・治療も行われます(ERCP・ERBD・ESTなど)。

歴史的背景から、ファイバースコープによる上部消化管内視鏡検査も「胃カメラ」と呼ばれます。

内視鏡の適応拡大と進化を目指すカプセル内視鏡と周辺技術を開発

健康ハーブワン
posted by 女性健康 at 11:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 女性健康「胃の病気」

胃の検査「バリューム検査」

 
胃の形や影などを見るために行います。X線はそのままだと胃を透過してしまうので、X線を通さないバリウム(造影剤)を飲んでから撮影します。胃潰瘍や胃がんの検査では、さらに胃を空気や炭酸ガスでふくらませて黒く写る部分を作り、白く写るバリウムとのコントラストで細かな病変を写し出す「二重造影法」が用いられます。

検査の手順

(1) 顆粒の発泡剤を少量の水で飲みます。
(2) バリウムをひとくち含み、そのまま一気に飲み込みます。
(3) 残りのバリウムをすべて口に含み、指示に従って飲み込みます。
(4) 台が後ろに倒れ、体を仰向けやうつぶせ、左右に回転させるなどの指示が出されます。バリウムを胃壁全体に薄く付着させるためです。
(5) 様々な角度から撮影が行われます。呼吸すると胃が移動するのでブレを防ぐために「息を止めてください」という指示があります。
(6) 検査後はなるべくたくさんの水と一緒に下剤を飲み、バリウムが固まる前に体外に排出させます。

注意

検査日前日は、早めに夕食をすませ、検査当日は、絶飲絶食で胃の中を空っぽの状態にしておきましょう。

※妊娠している人は、胎児に影響を与える場合があるので受けられません。



posted by 女性健康 at 11:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 女性健康「胃の病気」

逆流性食道炎

 
逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)
逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)とは胃から分泌される胃酸が、食道に逆流することで、食道の粘膜を刺激し傷つけることで起こる炎症をさす。症状はあっても炎症の所見が見られないことがあることから、近年では胃食道逆流症(いしょくどうぎゃくりゅうしょう)(Gastroesophageal Reflux Disease:GERD)という概念で捉えられることが多い。

逆流性食道炎の症状
逆流性食道炎の症状は、元来欧米に多い症例であったが、近年日本でも増加傾向が見られる。ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)菌の除去施術後、一時的に見られる場合があるが、肥満者や妊娠により発症する場合もあります。

腹圧を高める、若しくは腹筋を使うトレーニング等を積んでいる人も発症しやすい。このため腹式呼吸を多用する歌手等に多く見られ、「歌手病」などと俗称される場合もある。

逆流性食道炎の症状
胸焼け heartburn、みぞおちや上胸部痛などが起こる
食事中・後、横になったとき、前屈したときに喉や口に胃酸が逆流する
咽頭部・喉の痛み、違和感、不快感
肋間神経痛様の胸痛
嗄声(声枯れ)
耳痛、耳の違和感、副鼻腔炎の原因となることもある
多くは過度のおくび(げっぷ)を伴う。 症状を自覚しないこともある。

出血を伴う場合、貧血を引き起こすこともあります。

逆流性食道炎の原因ストレス、過飲過食、飲酒による胃酸過多
胃酸増加
食後すぐに横になる、前屈するなど
食道下部括約筋 Lower oesophageal sphincter: LES の一時的あるいは慢性的な弛緩、喫煙や加齢による機能低下.
食道裂孔ヘルニア Hiatus hernia
食道の機能低下
妊娠、肥満、便秘による腹圧の上昇
腹圧を高める衣服の着用
非ステロイド系鎮痛剤 NSAID 服用による軽微な炎症の悪化

逆流性食道炎の分類
内視鏡によって肉眼的に重症度を判定する、ロサンゼルス分類が一般的。なお、グレードNとグレードMCは日本独自の分類である。

グレードN
正常粘膜
グレードMC
明らかな糜爛や潰瘍がなく、発赤だけを認めるもの
グレードA
粘膜障害が粘膜ひだに限局し、5mm以内のもの
グレードB
粘膜障害が粘膜ひだに限局し、5mm以上で相互に癒合しないもの
グレードC
複数の粘膜ひだにわたって癒合し、全周の75%を超えないもの
グレードD
全周の75%以上にまたがるもの

バレット食道
逆流性食道炎の合併症として重要なものにバレット食道がある。食道上皮は本来は重層扁平上皮であるが、逆流性食道炎では円柱上皮化成が生じることがある。これに特殊腸上皮化成が合併したものがバレット食道(Barrett esophagus)である。バレット食道は食道腺癌の前癌状態とされ、無治療では高確率で食道癌が発生します。

バレット食道は日本を含むアジアでは低く、北米やヨーロッパでは多い。欧米ではバレット食道由来の食道癌(バレット食道癌)が食道癌の30〜60%を占めます。

疫学
アジアよりも欧米で罹患率が高いという特徴がある。また、地域差よりもむしろ人種差が大きく、欧米に住むアジア系民族は欧米系民族と比較して罹患率が低いことから、遺伝的な要因が大きい。罹患率に差が出る原因として、欧米系民族では下部括約筋の圧力(LES圧)がアジア系民族と比較して低いなどが考えられています。

逆流性食道炎の検査
内視鏡検査
食道上皮に発赤や糜爛・潰瘍、腫瘍がないか検査する。
食道内pHモニタリング
食道への胃酸逆流を評価する。24時間検査し、食道内pHが急速に4以下に低下したときに酸逆流と認める。

逆流性食道炎の診断
症状から胃酸逆流を疑い、食道内pHモニタリングで確定診断する。内視鏡は重症度分類の助けとする。

逆流性食道炎の治療
日常生活においては消化の良いものを取り、過食をさけ、食後横になるなどの逆流を増強する行為を避け、就寝時には頭を高くする(Fowler体位)。 一般的な薬物療法では、胃酸を抑える目的で、最も効果が強いプロトンポンプ阻害薬(−そがいやく)Proton Pump Inhibitor: PPI の投与が選択され、場合によってはH2ブロッカーを使用あるいは併用する。消化管運動賦活薬なども併用される。PPIに対する日本の保険適用は胃潰瘍としては8週間までと定められている。 食道裂孔ヘルニアを併発し、症状が著しい例では手術(噴門部形成術など)を行う場合もあるが、一般には施行されないことが多い。原因がはっきりしている場合を除いては、ストレスによって発症する例が大部分を占めるため、薬物療法に加えて根治を目的とした精神科的治療を平行して行う場合もあります。治療は長期化する場合が多いです。



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