胃切除術(い せつじょじゅつ)とは
胃切除術(い せつじょじゅつ)は胃の一部もしくは胃全体を切断し取り除く手術的治療法である。おもに胃の腫瘍のほか、胃潰瘍、胃の損傷などに対して行われる。
主に全身麻酔で行われる手術で、切除範囲により胃の部分切除と全摘出に大別される。通常手術時間、出血量ともに多くはなく、手術としては中規模の手術といえ、輸血の必要性も少ない。術後に出現する障害として特有の症状が知られており、胃切除後症候群と呼ばれている。 近年では腹腔鏡下手術も行われるようになっている。
胃切除術の対象となる疾患
■胃潰瘍
■十二指腸潰瘍
■胃穿孔(胃潰瘍によるものや外傷による損傷など)
■胃の腫瘍(内視鏡的切除が不可能なもの)
・胃癌
・胃悪性リンパ腫
・GIST
・胃の肉腫
などである。変わったところでは減量のためにこの手術を受けたサッカー選手のディエゴ・マラドーナの例がある。
健胃会が2002年に行ったアンケートでは、胃切除術を経験した126名中、原因となった疾患は
■胃癌 : 72%
■胃潰瘍・十二指腸潰瘍 : 22%
胃切除術、手術の手順
1、手術は全身麻酔下で行われる。術後鎮痛のために硬膜外麻酔を併用することもできる。
2、全身麻酔導入後皮膚切開を加え開腹する。
3、腹水や腹腔内の洗浄液を採取し病理検査に出す。目に見える転移巣以外にも癌細胞が浮遊していないか顕微鏡で確かめるためである(細胞診)。もし腹水細胞診が陽性(癌細胞が発見された場合)であれば腹腔内播種があることを意味し、根治的な手術は望めない。
4、腹腔内臓器、腹壁、大網、腸間膜に転移巣がないか確かめる。
5、胃癌の原発巣を検索し切除範囲を決定する。
6、胃に血液を供給する動脈と、胃から血液が流れ込む静脈を切除範囲にあわせて結紮処理する。同様に大網も切除する。胃の周囲にはリンパ節が多数存在しリンパ行性転移を起こしている可能性がある。そのため周囲のリンパ節も摘出しこれも病理検査に出す(リンパ節郭清)。
7、胃本体を切断する。切断と縫合を同時に行える器械(自動吻合器)を使用することが多い。通常胃を切除するためには口側と肛門側の2回この作業が必要である。
8、摘出された胃を開き、原発巣から切除断端まで充分な距離があるかどうか確認する。また切除した胃の組織は顕微鏡で断端に腫瘍細胞の浸潤がないか検査する。不十分であった場合追加切除が必要となる。
9、周辺臓器が切除・摘出されることもある。摘出対象となるのは胆嚢、脾臓、膵臓が多く、結腸や肝臓も含まれる。
10、消化管の再建を行う。再建の方法については後述する。
11、腹腔内を洗浄し止血を確認して排液用のドレナージチューブ(ドレーン)を留置し閉腹する。
12、患者を全身麻酔より覚醒させる。
13、手術室を退室する。
健康・医療
NHK健康
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